歌川広重の浮世絵「東海道五拾三次 大津」は、走井茶店を描いたものです。左手、茶店の前にごぼごぼ湧き出ている
走井が描かれています。
大谷町はかつて深い谷間であったことから名づけられた町名です。歩道橋から眺めますと、この大谷の谷の狭さがよわかります。道路と線路にほぼ占領され、民家やお店などの建物用地は薄く、狭いです。
月心寺
走井があった場所は、茶店となっており、明治初期まで賑わっていました。その後、1915年(大正4)日本画家の橋本関雪が別荘として購入し、関雪没後は月心寺となります。
NHK朝の連続ドラマ「ほんまもん」で料理人を目指すヒロインの師匠・庵主さんは、この月心寺住職村瀬明道尼さんをモデルにしているそうです。タイトルの「ほんまもん」は、住職が筆を取られたものだそうです。
走井
月心寺に入りますと、すぐに「走井」があります。
走井はかれることの無い泉として平安時代から名高く、歌にも詠まれ、浮世絵にも残されています。
『走井のほどを知らばや逢坂の 関引き越ゆる 木綿鹿毛の駒 元輔』 『走井の 筧の水の涼しさに 越えもやられず 逢坂の関 清輔』
水の色が本当に透明で写真で見るとまるで水が無いようにも見えますが、実は満水なのです。現在もこんこんと湧いて出ています。浮世絵には、ものすごい水量で描かれています。長い間に水量は減ってしまったのかも知れませんね。
走井のすぐ脇に受付があり、住職がおられたのですが、「お水をください」と言いづらく・・頂くことができませんでした。
月心寺百歳堂
小野小町百歳像を安置しているそうです。趣のある苔むした藁葺き屋根です。
住職さんが中を見てと、進められましたが、まだ歩かなければならないため遠慮しました。できれば見たかったのですが・・
住所 |
座標 |
採水日 |
採水時間 |
大津市大谷町27 |
34.992167 135.849370 |
2018.9.15 |
11:40 |
水温 |
EC(μS/m) |
TDS |
塩分 |
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pH |
RpH |
DO |
COD |
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※座標は、グーグルマップ、地理院地図、共通です。
涵養域は、細い谷あいのため南側の音羽山、北側の逢坂山の両方からだと思われます。